莫大な費用問題のほかにイリザロフ法にはもう一つ大きな難点があります。それは、処置にかかる時間の問題です。イリザロフ法は大手術で、まず骨を切断し人工的に骨折状態を作り出すことから始まるので結構な時間を費やします。また切断した後の骨を引き伸ばしていくのにも、長期間、時間がかかります。
実際のイリザロフ法による治療では、まず人工的に骨を切断した部分を1週間ほどくっつけておき、仮骨ができるのを待ちます。そして、固定器を調節していき骨を引き伸ばしていきます。引き伸ばすペースは、若い人で1日1mm。その1mmを1日で0.5mmずつ2回伸ばしたり、0.25mmずつ4回伸ばすので大変細かな作業になります。
5cm伸ばすのは簡単ですが、そのためには数ヶ月かかるという計算になります。時間はかかるものの確実に身長を伸ばすことができます。なかには30cm以上伸ばしたという実例も存在しているようです。
とても高額な費用がかかる上、長期間の治療期間がかかりますので、経済的にも時間的にもかなり余裕のある状態でなければ、イリザロフ法で身長を伸ばすというのは現実的に難しそうです。ここが、昨今比較的気軽に行われるようになった各種整形手術との大きな違いとなります。しかし、イリザロフ法の治療期間中は寝たきりではなく、歩いて運動をするといいますので、条件が整えば不可能ではなさそうです。

